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2025年1月2日・3日の第101回箱根駅伝は、青山学院大学が10時間41分19秒で2年連続8度目の総合優勝を果たしました。前年に自ら出した大会記録を6秒更新する大会新記録です。この年度の出雲駅伝と全日本大学駅伝を制していた國學院大學は総合3位で、三冠には届きませんでした。勝負を分けたのは、5区の山上りと6区の山下りという箱根ならではの2区間でした。
大会前の構図
第101回大会は、シード校10校、予選会を通過した10校、関東学生連合の21チームで争われました。読売新聞が見出しで伝えたとおり、この大会の焦点の一つは國學院大學の三冠挑戦でした。これに前年王者の青山学院大学、復路に強い駒澤大学、往路で先手を取りたい中央大学や早稲田大学が絡む構図です。
往路:中央大学の逃げと青山学院大学の追走
往路をリードしたのは中央大学でした。青山学院大学は1区で首位の中央大学から1分44秒差の10位と出遅れます。2区の黒田朝日選手が区間3位の走りで戸塚中継所では3位まで順位を上げ、4区の太田蒼生選手が区間賞を獲得して首位の中央大学と45秒差の2位に浮上しました。
5区:若林宏樹選手が9.5kmで逆転
5区の若林宏樹選手は、読売新聞によると9.5km付近で中央大学の園木大斗選手を抜いて首位に立ちました。記録は1時間09分11秒で、従来の区間記録を3秒更新する区間新記録。月陸Onlineによれば、若林選手にとっては2年連続3度目の5区で、初の区間賞でした。青山学院大学は5時間20分01秒で往路を制し、中央大学が1分47秒差の2位、5区の工藤慎作選手が区間2位と好走した早稲田大学が3位でした。
復路:6区で決定的な差
野村昭夢選手、初の56分台
復路の主役は6区の野村昭夢選手でした。56分47秒の区間新記録は、第96回大会(2020年)に東海大学の館澤亨次選手が記録した57分17秒を30秒更新する、史上初の56分台です。小田原中継所では2位の中央大学との差を3分49秒まで広げました。4years.によると、野村選手は最優秀選手に贈られる金栗四三杯と、この大会から新設された大会MVPの両方に選ばれています。
読売新聞の6区歴代ベスト5では、野村選手の記録は現在も1位です。ただし翌年の第102回大会では、創価大学の小池莉希選手が56分48秒、駒澤大学の伊藤蒼唯選手が56分50秒と、それぞれ1秒差、3秒差まで迫りました。野村選手が初めて切り開いた56分台は、わずか1年で3人が記録する水準になっています。
その後も8区の塩出翔太選手が2年連続となる8区の区間賞、9区の田中悠登選手が区間2位、10区の小河原陽琉選手が区間賞と続き、青山学院大学は復路で一度も首位を譲りませんでした。
駒澤大学の復路新記録
一方で、復路を制したのは往路4位の駒澤大学でした。7区の佐藤圭汰選手が従来の区間記録を57秒更新する1時間00分43秒の区間新記録を出すなど区間上位を並べ、復路記録5時間20分50秒は復路新記録。総合でも青山学院大学に2分48秒差の2位に入りました。青山学院大学の復路記録は5時間21分18秒で、復路だけで比べれば駒澤大学が28秒上回っています。
上位校の明暗
國學院大學は往路6位(5時間25分26秒)、復路3位(5時間25分21秒)で総合3位。4位早稲田大学との差はわずか10秒でした。往路2位の中央大学は、読売新聞によれば8区で区間20位となったものの他の区間では堅実に走り、総合5位に入っています。
| 順位 | 大学 | 総合記録 | 往路 | 復路 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 青山学院大学 | 10:41:19 | 5:20:01(1) | 5:21:18(2) |
| 2 | 駒澤大学 | 10:44:07 | 5:23:17(4) | 5:20:50(1) |
| 3 | 國學院大學 | 10:50:47 | 5:25:26(6) | 5:25:21(3) |
| 4 | 早稲田大学 | 10:50:57 | 5:22:30(3) | 5:28:27(10) |
| 5 | 中央大学 | 10:52:49 | 5:21:48(2) | 5:31:01(13) |
| 6 | 城西大学 | 10:53:09 | 5:25:58(7) | 5:27:11(8) |
| 7 | 創価大学 | 10:53:35 | 5:23:38(5) | 5:29:57(11) |
| 8 | 東京国際大学 | 10:54:55 | 5:28:34(11) | 5:26:21(5) |
| 9 | 東洋大学 | 10:54:56 | 5:27:53(9) | 5:27:03(7) |
| 10 | 帝京大学 | 10:54:58 | 5:29:28(14) | 5:25:30(4) |
10秒の中に4校:歴史的なシード権争い
この大会のもう一つのドラマはシード権争いでした。8位東京国際大学が10時間54分55秒、9位東洋大学が10時間54分56秒、10位帝京大学が10時間54分58秒、そして11位順天堂大学が10時間55分05秒。8位から11位までがわずか10秒の中にひしめき、順天堂大学は10位と7秒差でシード権を逃しました。
往路型と復路型:各校の戦い方
第101回大会は、往路と復路で順位が大きく入れ替わった大会でもありました。往路上位の中央大学(往路2位・復路13位)、早稲田大学(往路3位・復路10位)、創価大学(往路5位・復路11位)は復路で順位を下げ、反対に駒澤大学(往路4位・復路1位)、東京国際大学(往路11位・復路5位)、帝京大学(往路14位・復路4位)は復路で順位を上げています。
東京国際大学は往路11位から総合8位、帝京大学は往路14位から総合10位に入り、ともにシード権を確保しました。復路での巻き返しがなければ、シード権争いの顔ぶれは大きく変わっていたことになります。
シード圏外の戦い
11位以下では、12位日本体育大学、13位立教大学、14位中央学院大学、15位法政大学と続きました。立教大学は往路8位と健闘しましたが、復路12位で総合13位。前年6位でシード権を持っていた法政大学は15位で、シード権を失いました。総合20位は日本大学(11時間11分50秒)でしたが、日本大学は翌年の第102回大会で総合10位に入り、シード権を獲得しています。
オープン参加の関東学生連合は、参考記録ながら11時間06分53秒でした。関東学生連合の記録は順位には含まれませんが、予選会で敗れた大学の選手にとって、本大会の舞台を経験できる貴重な機会となっています。
シード権を失った大学は、10月の予選会から出直すことになります。月陸Onlineの結果によると、2025年10月の第102回予選会で法政大学は10時間37分13秒の11位となり、10位の立教大学(10時間36分56秒)と17秒差で本大会出場を逃しました。一方、この大会で7秒差に泣いた順天堂大学は予選会を2位で通過しています。
この大会で生まれた記録
- 総合:青山学院大学 10時間41分19秒(大会新記録)
- 復路:駒澤大学 5時間20分50秒(復路新記録)
- 5区:若林宏樹選手(青山学院大学)1時間09分11秒(区間新記録)
- 6区:野村昭夢選手(青山学院大学)56分47秒(区間新記録)
- 7区:佐藤圭汰選手(駒澤大学)1時間00分43秒(区間新記録)
2区では東京国際大学のR.エティーリ選手が1時間05分31秒を記録しました。読売新聞の区間記録歴代ベスト5では、翌年に城西大学のV.キムタイ選手が更新するまでこの記録が1位で、現在も2位です。同じ大会の創価大学・吉田響選手(1時間05分43秒)も歴代4位に記載されています。
歴代ランキングに残る第101回の記録
読売新聞の区間記録歴代ベスト5(第102回大会まで)を見ると、この大会の記録は今も多く上位に残っています。5区では若林選手の1時間09分11秒が2位、区間2位だった早稲田大学の工藤慎作選手(当時2年)の1時間09分31秒が5位です。読売新聞によれば、工藤選手は若林選手に20秒差まで迫っていました。7区では佐藤圭汰選手の1時間00分43秒が現在も区間記録で、國學院大學の辻原輝選手と順天堂大学の吉岡大翔選手がともに1時間02分21秒で5位タイに並んでいます。
下級生の活躍も目立ちました。10区で区間賞を獲得した青山学院大学の小河原陽琉選手は当時1年生で、1時間08分27秒は10区の歴代5位に入っています。2区のエティーリ選手も当時2年生でした。上級生だけでなく1、2年生の記録が歴代上位に並んでいることは、この大会の水準の高さを示すデータの一つです。
前年の第100回大会との比較
青山学院大学の総合記録は前年より6秒速いだけでしたが、中身は大きく異なります。第100回大会は往路5時間18分13秒・復路5時間23分12秒だったのに対し、第101回大会は往路5時間20分01秒・復路5時間21分18秒。往路は1分48秒遅く、復路は1分54秒速くなっています。前年は2区から4区の連続区間賞で往路に大きな貯金をつくったのに対し、この年は往路で出遅れを取り返しつつ、6区以降の復路で記録を伸ばした形でした。
駒澤大学も前年の10時間48分00秒から10時間44分07秒へと3分53秒記録を縮めています。2位の記録としては非常に速く、優勝した青山学院大学との差は前年の6分35秒から2分48秒へと縮まりました。上位の記録水準が全体として上がったことが、この比較からもうかがえます。
第101回大会の意味
國學院大學にとっては、三冠こそ逃したものの、往路6位から総合3位まで押し上げた大会でした。翌年の第102回大会では10時間40分07秒で総合2位となり、順位をさらに一つ上げています。駒澤大学、國學院大學と、優勝を争う大学の顔ぶれが固まりつつあることも、この大会から読み取れる傾向です。
参考資料
- 過去の記録 大会詳細:第101回大会 2025年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 箱根駅伝 2025:青山学院大が大会新記録で連覇、国学院大の3冠阻む(読売新聞オンライン)
- 新たな100年への一歩も青学大!大会新で2年連続8度目V(月陸Online(月刊陸上競技))
- 箱根駅伝連覇の青山学院大 MVPの野村昭夢(4years.(朝日新聞社))
- 箱根路の5区に君臨するのは「山の神」「山の妖精」から「山の名探偵」へ…近年は記録ラッシュ(読売新聞オンライン)
- 箱根駅伝 区間記録歴代ベスト5(読売新聞オンライン)
- 【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)(月陸Online(月刊陸上競技))
- コース紹介(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 歴代優勝校(日本テレビ 箱根駅伝番組公式サイト)
記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。