箱根駅伝 専門メディア第103回大会 2027年1月2日・3日

大会回顧

第102回箱根駅伝2026完全レビュー

青山学院大学が10時間37分34秒の大会新記録で総合3連覇。5区の逆転劇から復路、シード権争いまでを記録とともに振り返る。

目次
  1. 大会の概要と最終結果
  2. 往路:1区16位から始まった反撃
  3. 5区:区間記録を1分55秒更新した山上り
  4. 復路:一度も先頭を譲らなかった5区間
  5. 総合上位3校の戦いぶり
  6. 青山学院大学:往路・復路とも1位
  7. 國學院大學:復路で順位を上げ大学最高の2位
  8. 順天堂大学:往路6位から3位へ
  9. シード権争い:帝京大学の追い上げと東洋大学の途切れた連続記録
  10. 大会新記録が意味するもの
  11. コースから見た第102回大会
  12. 第103回大会への展望

2026年1月2日と3日に行われた第102回東京箱根間往復大学駅伝競走は、青山学院大学が総合記録10時間37分34秒で制しました。前年に同校が出した大会記録10時間41分19秒を3分45秒更新する大会新記録で、往路・復路ともに1位という完全優勝です。総合2位の國學院大學も10時間40分07秒と、従来の大会記録を上回りました。本記事では、関東学生陸上競技連盟が運営する大会公式サイトの記録と主要報道をもとに、往路・復路の流れ、上位校の戦いぶり、シード権争いを順に整理します。

朝焼けの空と富士山を背に、道を走るランナーたちのイラスト
第102回大会は1月2日・3日に東京・大手町〜箱根・芦ノ湖間の往復217.1kmで行われた(イラスト:Voxlynest編集部)

大会の概要と最終結果

コースは東京・大手町の読売新聞社前をスタートし、箱根・芦ノ湖までの往路5区間107.5km、翌日に芦ノ湖から大手町へ戻る復路5区間、合計217.1kmです。出場は予選会を通過した大学とシード校の計20校に、オープン参加の関東学生連合を加えた21チームでした。

総合成績の上位3校は、1位青山学院大学(10時間37分34秒)、2位國學院大學(10時間40分07秒)、3位順天堂大学(10時間43分55秒)。4位早稲田大学と5位中央大学の差はわずか2秒、6位駒澤大学までも21秒差という接戦でした。青山学院大学にとっては3年連続9度目の総合優勝で、同一校による2度目の3連覇となりました。

第102回大会 総合上位10校(出典:大会公式サイト「過去の記録」)
順位大学総合記録往路復路
1青山学院大学10:37:345:18:08(1)5:19:26(1)
2國學院大學10:40:075:20:02(4)5:20:05(2)
3順天堂大学10:43:555:21:49(6)5:22:06(4)
4早稲田大学10:44:295:18:26(2)5:26:03(8)
5中央大学10:44:315:19:44(3)5:24:47(6)
6駒澤大学10:44:505:23:00(7)5:21:50(3)
7城西大学10:46:175:20:20(5)5:25:57(7)
8創価大学10:51:405:24:02(8)5:27:38(13)
9帝京大学10:53:155:30:25(17)5:22:50(5)
10日本大学10:53:565:25:00(9)5:28:56(16)
1. 青山学院大優勝2. 國學院大+2分33秒3. 順天堂大+6分21秒4. 早稲田大+6分55秒5. 中央大+6分57秒6. 駒澤大+7分16秒7. 城西大+8分43秒8. 創価大+14分06秒9. 帝京大+15分41秒10. 日本大+16分22秒
1 青山学院大優勝2 國學院大+2分33秒3 順天堂大+6分21秒4 早稲田大+6分55秒5 中央大+6分57秒6 駒澤大+7分16秒7 城西大+8分43秒8 創価大+14分06秒9 帝京大+15分41秒10 日本大+16分22秒
優勝した青山学院大学との総合タイム差。10位日本大学までの差は16分22秒だった(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

往路:1区16位から始まった反撃

往路で青山学院大学が並べたのは、1区小河原陽琉(2年)、2区飯田翔大(2年)、3区宇田川瞬矢(4年)、4区平松享祐(3年)、5区黒田朝日(4年)の5人です。過去2大会で2区を走ったエースの黒田選手は、当日のメンバー変更で山上りの5区に入りました。

滑り出しは決して順調ではありませんでした。1区はトップから1分19秒差の16位。しかし2区の飯田選手が5人を抜いて流れを引き戻し、3区の宇田川選手がさらに3人を抜いて8番手へ、4区の平松選手が5番手まで押し上げました。それでも小田原中継所の時点で、首位の中央大学とは3分24秒、2位の早稲田大学とも2分12秒の差がありました。

5区:区間記録を1分55秒更新した山上り

5区は国道1号の最高地点、標高約874mまで一気に上り、16.2km付近の最高点を過ぎると芦ノ湖へ向けて下りに転じる20.8kmの区間です。黒田選手は序盤に城西大学をかわし、9.7km付近で國學院大學を抜いて3位へ。13km過ぎに中央大学を捉えて2位に上がると、芦之湯(15.8km)の時点で首位早稲田大学との差を15秒まで縮めました。そして下りに入った19.2km付近で早稲田大学の工藤慎作選手(3年)を抜き、トップでフィニッシュしています。

記録は1時間7分16秒。前回大会で同じ青山学院大学の若林宏樹選手が出した区間記録1時間9分11秒を1分55秒上回る区間新記録でした。チームの往路記録5時間18分08秒も往路新記録で、2位早稲田大学との差は18秒。青山学院大学は3年連続8度目の往路優勝を果たしました。

杉林の間を曲がりくねって上る山道と、そこを走るランナーたちのイラスト
5区は標高約874mの国道1号最高地点を越え、後半は芦ノ湖へ下る。上りと下りの切り替えが記録を左右する(イラスト:Voxlynest編集部)

復路:一度も先頭を譲らなかった5区間

1月3日の復路で、青山学院大学は芦ノ湖から大手町まで一度も首位を明け渡しませんでした。6区の石川浩輝選手(1年)がトップを守り、7区の佐藤愛斗選手(2年)も首位のまま8区へつなぎます。

6区の区間賞は創価大学の小池莉希選手(3年)で、56分48秒。前回大会で青山学院大学の野村昭夢選手が記録した区間記録56分47秒に1秒差まで迫りました。7区では國學院大學の高山豪起選手(4年)が1時間00分54秒で区間賞を獲得し、チームを2位に押し上げています。

8区では青山学院大学の塩出翔太選手(4年)が1時間03分45秒をマークし、従来の区間記録を4秒更新しました。9区は同じく青山学院大学の佐藤有一選手(4年)が1時間07分38秒で区間賞。10区の折田壮太選手(2年)も区間2位で走り、大手町へ戻ってきました。

復路記録は5時間19分26秒。前回大会で駒澤大学が出した復路記録5時間20分50秒を上回る復路新記録です。2位國學院大學の復路5時間20分05秒も同じく従来の記録を上回っており、今大会の高速化は往路の一部区間だけでなく、復路全体に及んでいたことが数字からわかります。

往路復路左ほど速い青山学院大往路 5:18:08(1位)復路 5:19:26(1位)1/1位國學院大往路 5:20:02(4位)復路 5:20:05(2位)4/2位順天堂大往路 5:21:49(6位)復路 5:22:06(4位)6/4位早稲田大往路 5:18:26(2位)復路 5:26:03(8位)2/8位中央大往路 5:19:44(3位)復路 5:24:47(6位)3/6位駒澤大往路 5:23:00(7位)復路 5:21:50(3位)7/3位城西大往路 5:20:20(5位)復路 5:25:57(7位)5/7位創価大往路 5:24:02(8位)復路 5:27:38(13位)8/13位帝京大往路 5:30:25(17位)復路 5:22:50(5位)17/5位日本大往路 5:25:00(9位)復路 5:28:56(16位)9/16位
往路復路左ほど速い青山学院大往路 5:18:08(1位)復路 5:19:26(1位)1/1位國學院大往路 5:20:02(4位)復路 5:20:05(2位)4/2位順天堂大往路 5:21:49(6位)復路 5:22:06(4位)6/4位早稲田大往路 5:18:26(2位)復路 5:26:03(8位)2/8位中央大往路 5:19:44(3位)復路 5:24:47(6位)3/6位駒澤大往路 5:23:00(7位)復路 5:21:50(3位)7/3位城西大往路 5:20:20(5位)復路 5:25:57(7位)5/7位創価大往路 5:24:02(8位)復路 5:27:38(13位)8/13位帝京大往路 5:30:25(17位)復路 5:22:50(5位)17/5位日本大往路 5:25:00(9位)復路 5:28:56(16位)9/16位
上位10校の往路・復路記録の比較。帝京大学は往路17位から復路5位で総合9位に入った(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

総合上位3校の戦いぶり

青山学院大学:往路・復路とも1位

往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒。どちらも区間順位ではなく総合で1位を取り、合計で2位に2分33秒の差をつけました。往路は追う展開、復路は逃げる展開と、2日間でまったく異なるレースを求められたことが特徴です。

國學院大學:復路で順位を上げ大学最高の2位

國學院大學は往路4位(5時間20分02秒)から、復路2位(5時間20分05秒)の走りで総合2位に浮上しました。大学の発表によると、総合2位は同校の箱根駅伝における最高順位で、総合記録10時間40分07秒は箱根駅伝の歴代2位にあたります。往路と復路の記録差がわずか3秒という均整のとれた内容でした。

順天堂大学:往路6位から3位へ

順天堂大学は往路6位(5時間21分49秒)、復路4位(5時間22分06秒)で総合3位に入りました。4位早稲田大学との差は34秒。往路2位だった早稲田大学が復路で8位にとどまったのに対し、復路で着実に順位を上げたことが表彰台につながりました。

シード権争い:帝京大学の追い上げと東洋大学の途切れた連続記録

総合10位までに与えられる次回大会のシード権をめぐっては、復路後半まで順位が入れ替わりました。8区では中央学院大学が10位から9位に上がり、日本大学が9位から10位へ。9区では復路スタート時点で17位だった帝京大学が11位まで浮上し、最終的に総合9位でシード権を獲得しています。帝京大学の復路記録5時間22分50秒は全体の5位でした。

10位の日本大学(10時間53分56秒)と11位の中央学院大学(10時間54分51秒)の差は55秒。前回まで20年連続でシード権を守ってきた東洋大学は総合14位(10時間56分27秒)となり、連続シードは20年で途切れました。

紺色の地に紅白の襷を斜めに大きく描いた図案
シード権は総合10位まで。11位以下の大学は秋の予選会から次の大会を目指すことになる(イラスト:Voxlynest編集部)

大会新記録が意味するもの

第100回大会(2024年)の青山学院大学は10時間41分25秒、第101回(2025年)は同じく青山学院大学の10時間41分19秒で大会記録を更新してきました。今回の10時間37分34秒は、そこからさらに3分45秒の短縮です。しかも2位の國學院大學までが前回の大会記録を上回っており、記録の更新が一校だけの出来事ではなかったことがわかります。

2024第100回10:41:25青山学院大2025第101回10:41:19青山学院大−6秒2026第102回10:37:34青山学院大−225秒
2024第100回10:41:25青山学院大2025第101回10:41:19青山学院大−6秒2026第102回10:37:34青山学院大−225秒
第100回〜第102回の総合優勝記録の推移(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

区間単位では、5区で1分55秒、8区で4秒の区間新記録が生まれ、6区でも区間記録まで1秒という好記録が出ました。往路記録と復路記録がともに更新されたことも含め、山の区間と平地の区間の双方で水準が上がった大会だったといえます。

コースから見た第102回大会

往路は大手町から鶴見、戸塚、平塚、小田原の各中継所を経て芦ノ湖へ。復路は同じ道を逆にたどります。最大の難所は5区の山上りで、裏返しとなる6区は序盤に約4km上ったあと一気に下る区間です。今大会では、この5区と6区の両方で区間記録に迫る、あるいは更新する走りが生まれ、山の2区間が順位と記録の双方に大きな影響を与えました。

往路 107.5km →← 復路 109.6km大手町1区/10区鶴見2区/9区戸塚3区/8区平塚4区/7区小田原5区/6区国道1号最高地点 約874m芦ノ湖※ 距離の比率・標高は概略
往路 107.5km →← 復路 109.6km大手町1区10区鶴見2区9区戸塚3区8区平塚4区7区小田原5・6区最高地点 約874m芦ノ湖※ 距離の比率・標高は概略
コース概略図。5区は国道1号最高地点(標高約874m)を越える(大会公式サイトのコース紹介をもとにVoxlynest編集部作成、標高は概略)
富士山と湖を背に、ゴールの門の下へ走り込むランナーと沿道の観衆のイラスト
往路のゴールであり復路のスタート地点となる芦ノ湖(イラスト:Voxlynest編集部)

第103回大会への展望

第103回大会は2027年1月2日・3日に開催されます。今大会で総合10位以内に入った青山学院大学、國學院大學、順天堂大学、早稲田大学、中央大学、駒澤大学、城西大学、創価大学、帝京大学、日本大学の10校がシード校となり、残る出場枠は予選会で争われます。各校の出場メンバーは大会前に公式に発表されるため、当サイトでも発表後に情報を更新します。

記録の更新が続く箱根駅伝ですが、1区間の出遅れが5区で覆り、シード権が最終10区まで決まらないという展開は、今大会でも変わりませんでした。大会全体の歴史や各大学の歩みについては、関連記事もあわせてご覧ください。

参考資料

  1. 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(令和8年)(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  2. 過去の記録(歴代優勝校一覧)(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  3. コース紹介(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  4. 第102回箱根駅伝(2026年・令和8年)の総合記録・区間記録(読売新聞オンライン)
  5. 第101回箱根駅伝(2025年・令和7年)の総合記録・区間記録(読売新聞オンライン)
  6. 【箱根駅伝】青学大、大逆転の往路V「急造クライマー」5区黒田朝日が3分24秒差ひっくり返す(日刊スポーツ)
  7. “シン・山の神”青学大・黒田朝日 異次元の区間新記録で5区を征服(月陸Online(月刊陸上競技))
  8. 第102回箱根駅伝 青山学院大が2度目の3連覇 往路・復路とも制して完全優勝(4years.(朝日新聞社))
  9. 第102回東京箱根間往復大学駅伝競走 結果(國學院大學 陸上競技部)

記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。

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