目次
- 往路
- 5区間 107.5km
- 復路
- 5区間 109.6km
- 合計
- 10区間 217.1km
- 5区 最高地点
- 標高 約874m
大会公式サイトによると、箱根駅伝は東京・大手町の読売新聞社前と箱根・芦ノ湖の間を往路5区間(107.5km)、復路5区間(109.6km)の合計10区間で競う、学生長距離界で最長の駅伝競走です。中継所は鶴見、戸塚、平塚、小田原の4か所で、往路と復路で同じ中継所を逆向きに使います。以下では、公式サイトのコース紹介に記された各区間の特徴と、区間記録を整理します。区間距離は、出典で確認できたものだけを記載しています。
往路:大手町から芦ノ湖へ
1区(大手町〜鶴見)
レース全体の流れを左右する区間で、各校屈指のスピードランナーが集まります。平坦で直線的な道が長く続くため集団で進むことが多く、公式サイトは17km過ぎの六郷橋を勝負どころに挙げています。区間記録は第98回大会(2022年)に中央大学の吉居大和選手が出した1時間00分40秒です。
2区(鶴見〜戸塚)
各校のエースが登場する「花の2区」。平地区間では最長で、中盤13km付近からの権太坂、ラスト3kmの上り下りが選手を苦しめます。記録的な「ごぼう抜き」が生まれやすいのもこの区間で、公式サイトによれば、20チーム参加の大会では第87回(2011年)に東海大学の村澤明伸選手が17人抜きを記録しています。区間記録は第101回大会で東京国際大学のR.エティーリ選手が出した1時間05分31秒です。
3区(戸塚〜平塚)
前半約9kmは緩やかな下りが続き、11kmを過ぎて国道134号線に出ると、正面に富士山、左手に相模湾を望む箱根路屈指の景勝区間になります。一方で、時として強い向かい風が選手を阻みます。第100回大会(2024年)では青山学院大学の太田蒼生選手が59分47秒で走り、日刊スポーツによれば日本人選手として初めてこの区間で1時間を切りました。区間記録は第96回大会の東京国際大学、Y.ヴィンセント選手の59分25秒です。
4区(平塚〜小田原)
平地区間では最も短い区間ですが、5区に良い位置でたすきを渡すために重要な役割を担います。第93回大会(2017年)からはコースが延長され、最後の約3kmで緩やかな上りを迎えるようになりました。集団から離れても一人でペースを刻む力が求められます。
5区(小田原〜芦ノ湖)
箱根駅伝最大の難所である山上りです。距離は20.8km。国道1号の最高地点、標高約874mまで一気に駆け上がり、16.2kmの最高地点を過ぎると、19km過ぎの箱根神社大鳥居までは一転して下りになります。この上りから下りへの切り替えがタイムを大きく左右します。第102回大会では青山学院大学の黒田朝日選手が1時間07分16秒の区間新記録を出し、前回の記録を1分55秒更新しました。
復路:芦ノ湖から大手町へ
6区(芦ノ湖〜小田原)
最初の約4kmを上った後、一気に下る山下りの区間です。カーブが急でスピードも出るためコース取りが重要になり、脚への負担も大きく、下りで飛ばしすぎると最後の平地の約3kmで苦しくなります。朝の箱根の山中は冷え込みが厳しく、腹痛やけいれんに見舞われることもあると公式サイトは紹介しています。区間記録は第101回大会で青山学院大学の野村昭夢選手が出した56分47秒で、第102回大会では創価大学の小池莉希選手が1秒差の56分48秒で走りました。
7区(小田原〜平塚)
9km過ぎから小さなアップダウンが続き、ペースをつかみにくい区間です。山からの冷たい風で冷え込む早朝から、日が高くなるにつれて正面からの日差しが強まり、気温の変化が最も大きい区間とされています。区間記録は第101回大会で駒澤大学の佐藤圭汰選手が出した1時間00分43秒です。
8区(平塚〜戸塚)
追い風が吹くと選手と風が同じ速さになり、無風の中を走るような状態で体感温度が上がります。湘南新道に入ってからアップダウンを含む約9kmの上り坂が続き、気温の上昇とともに選手の体力を奪います。第102回大会では青山学院大学の塩出翔太選手が1時間03分45秒で走り、従来の区間記録を4秒更新しました。
9区(戸塚〜鶴見)
優勝争いやシード権争いの逆転の舞台となることが多い区間です。鶴見中継所では、トップから一定時間以上遅れたチームが繰り上げスタートとなる場合があり、公式サイトのコース紹介では「1位から20分以上遅れた場合」と説明されています。たすきをつなごうと必死に走る選手の姿が見られるのもこの中継所です。
10区(鶴見〜大手町)
9人がつないだたすきを受けて大手町のフィニッシュを目指す最終区間です。中央通り、日本橋を抜けるコースで、沿道の大きな声援と気温の上昇、そして「ここまでつないでくれた」という重圧から、思わぬ逆転劇が起こることもあります。近年はシード権争いが最終区間まで続くことも珍しくありません。
5区と6区が特別視される理由
5区と6区は、平地の区間とは求められる能力がまったく異なります。5区では長い上りを押し切る持久力と、最高地点を越えた後の下りに切り替える技術が、6区では急な下りでスピードを制御しながら脚の負担に耐える力が必要です。公式サイトによれば、6区の選手は平均して100mを16秒前半、時には13秒台で走ることがあり、経験者は「落ちていくような」感覚だと表現しているといいます。
区間記録はいつ生まれたか
読売新聞の区間記録歴代ベスト5(第102回大会まで)によると、10区間の区間記録のうち5区間は2026年の第102回大会で生まれました。1区の青木瑠郁選手(國學院大學、1時間00分28秒)、2区のV.キムタイ選手(城西大学、1時間05分09秒)、5区の黒田朝日選手(青山学院大学、1時間07分16秒)、8区の塩出翔太選手(青山学院大学、1時間03分45秒)、10区の佐藤圭汰選手(駒澤大学、1時間07分31秒)です。残る5区間も、6区と7区が2025年、4区が2023年、9区が2022年、3区が2020年の記録です。
観戦・視聴の際の注意
コースや中継所の位置、交通規制は大会ごとに変更される場合があります。沿道で観戦する際は、大会公式サイトや主催者の案内で最新の情報を確認し、選手の進路をふさがないよう注意してください。
参考資料
- コース紹介(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 箱根駅伝とは(概要・歴史・豆知識)(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 箱根駅伝 区間記録歴代ベスト5(読売新聞オンライン)
- 【箱根駅伝】再々逆転!青学太田蒼生が日本人初3区1時間切り(日刊スポーツ)
- “シン・山の神”青学大・黒田朝日 異次元の区間新記録で5区を征服(月陸Online(月刊陸上競技))
- 第102回箱根駅伝 青山学院大が2度目の3連覇 往路・復路とも制して完全優勝(4years.(朝日新聞社))
- 箱根駅伝 2025:青山学院大が大会新記録で連覇、国学院大の3冠阻む(読売新聞オンライン)
記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。