箱根駅伝 専門メディア第103回大会 2027年1月2日・3日

大会回顧

往路と復路の戦略差:3大会のデータで見る「往路型」と「復路型」

往路2位から復路13位、往路17位から復路5位。3大会のデータから、往路と復路の戦略の違いを整理する。

目次
  1. 往路と復路の違い
  2. 優勝校は往路・復路とも上位
  3. 往路型の大学
  4. 復路型の大学
  5. 往路と復路の記録差
  6. 第1回大会から続く逆転
  7. なぜ差が生まれるのか(編集部分析)

箱根駅伝は2日間の大会です。1月2日の往路と3日の復路では、走る区間の性格も、レースの意味合いも異なります。往路で先頭に立つことを重視する大学もあれば、復路で順位を上げる戦い方を得意とする大学もあります。この記事では、第100回(2024年)から第102回(2026年)までの3大会の公式記録をもとに、往路と復路の成績の違いから各校の戦い方を読み解きます。

冬の湖と雪をかぶった富士山の風景イラスト
往路のゴールで復路のスタートとなる芦ノ湖。2日間の勝負はここで折り返す(イラスト:Voxlynest編集部)

往路と復路の違い

大会公式サイトによると、往路は大手町から芦ノ湖までの5区間107.5km、復路は芦ノ湖から大手町までの5区間109.6kmです。往路には各校のエースが集まる2区(23.1km)と山上りの5区(20.8km)があり、復路には山下りの6区(20.8km)と、23.1kmの9区、23.0kmの10区という長い区間が後半に続きます。距離は復路のほうが2.1km長くなっています。

復路のスタートは前日の往路の結果を引き継ぎます。往路の順位とタイム差を背負って走り始めるため、往路で先頭に立った大学は追われる立場、後れを取った大学は追う立場で復路を迎えることになります。

往路復路左ほど速い青山学院大往路 5:18:13(1位)復路 5:23:12(1位)1/1位駒澤大往路 5:20:51(2位)復路 5:27:09(2位)2/2位城西大往路 5:21:30(3位)復路 5:30:56(12位)3/12位東洋大往路 5:25:19(4位)復路 5:27:28(3位)4/3位國學院大往路 5:27:07(6位)復路 5:28:20(5位)6/5位法政大往路 5:29:03(9位)復路 5:27:32(4位)9/4位早稲田大往路 5:26:05(5位)復路 5:30:35(10位)5/10位創価大往路 5:28:08(7位)復路 5:29:13(7位)7/7位帝京大往路 5:30:23(12位)復路 5:28:59(6位)12/6位大東文化大往路 5:28:54(8位)復路 5:31:48(17位)8/17位
往路復路左ほど速い青山学院大往路 5:18:13(1位)復路 5:23:12(1位)1/1位駒澤大往路 5:20:51(2位)復路 5:27:09(2位)2/2位城西大往路 5:21:30(3位)復路 5:30:56(12位)3/12位東洋大往路 5:25:19(4位)復路 5:27:28(3位)4/3位國學院大往路 5:27:07(6位)復路 5:28:20(5位)6/5位法政大往路 5:29:03(9位)復路 5:27:32(4位)9/4位早稲田大往路 5:26:05(5位)復路 5:30:35(10位)5/10位創価大往路 5:28:08(7位)復路 5:29:13(7位)7/7位帝京大往路 5:30:23(12位)復路 5:28:59(6位)12/6位大東文化大往路 5:28:54(8位)復路 5:31:48(17位)8/17位
第100回大会の往路・復路記録。城西大学は往路3位、復路12位だった(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

優勝校は往路・復路とも上位

3大会の総合優勝はいずれも青山学院大学で、往路は3大会とも1位でした。復路は第100回大会と第102回大会が1位、第101回大会が2位です。第101回大会では駒澤大学が5時間20分50秒の復路新記録で復路を制しましたが、総合では青山学院大学に2分48秒及びませんでした。往路で作った差が、復路での追い上げを上回った形です。

総合2位の大学を見ても、第100回大会の駒澤大学は往路2位・復路2位、第101回大会の駒澤大学は往路4位・復路1位、第102回大会の國學院大學は往路4位・復路2位でした。上位に入る大学は、どちらか一方だけでなく2日間とも上位で走っていることがわかります。

往路型の大学

往路で上位に入りながら、復路で順位を落とした例も目立ちます。第100回大会の城西大学は往路3位・復路12位、第101回大会の中央大学は往路2位・復路13位、早稲田大学は往路3位・復路10位、創価大学は往路5位・復路11位でした。第102回大会でも、早稲田大学が往路2位・復路8位、城西大学が往路5位・復路7位、日本大学が往路9位・復路16位となっています。

城西大学は第100回大会で往路の貯金を守って総合3位に入り、中央大学も第101回大会で総合5位を確保しました。往路で上位に入ることは、復路で順位を落としても上位にとどまるための土台になります。

往路順位総合順位1青山学院大1青山学院大4國學院大2國學院大6順天堂大3順天堂大2早稲田大4早稲田大3中央大5中央大7駒澤大6駒澤大5城西大7城西大8創価大8創価大17帝京大9帝京大9日本大10日本大赤線:復路で順位を上げた大学(往路11位以下は最下段に表示)
大学往路総合変化青山学院大1位→1±0國學院大4位→2↑2順天堂大6位→3↑3早稲田大2位→4↓2中央大3位→5↓2駒澤大7位→6↑1城西大5位→7↓2創価大8位→8±0帝京大17位→9↑8日本大9位→10↓1色付きの行:2つ以上順位が動いた大学
第102回大会の往路順位と総合順位。帝京大学は往路17位から総合9位まで順位を上げた(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

復路型の大学

反対に、復路で大きく順位を上げる大学もあります。代表的なのが帝京大学です。第100回大会は往路12位から復路6位、第101回大会は往路14位から復路4位、第102回大会は往路17位から復路5位で、3大会とも総合10位以内に入りました。第101回大会では東京国際大学も往路11位から復路5位で総合8位に入っています。

第100回大会の法政大学(往路9位・復路4位)、第102回大会の駒澤大学(往路7位・復路3位)も、復路で順位を上げた例です。第100回大会では、シード圏外の明治大学が往路23位から復路8位、日本体育大学が往路21位から復路11位と大きく巻き返しています。

1. 青山学院大優勝2. 駒澤大+2分48秒3. 國學院大+9分28秒4. 早稲田大+9分38秒5. 中央大+11分30秒6. 城西大+11分50秒7. 創価大+12分16秒8. 東京国際大+13分36秒9. 東洋大+13分37秒10. 帝京大+13分39秒
1 青山学院大優勝2 駒澤大+2分48秒3 國學院大+9分28秒4 早稲田大+9分38秒5 中央大+11分30秒6 城西大+11分50秒7 創価大+12分16秒8 東京国際大+13分36秒9 東洋大+13分37秒10 帝京大+13分39秒
第101回大会の優勝校とのタイム差。8位から10位は往路下位から復路で追い上げた大学を含む(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

往路と復路の記録差

往路と復路の記録の差を見ると、各校の傾向がよりはっきりします。第102回大会の青山学院大学は往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒で、差は1分18秒でした。國學院大學は往路5時間20分02秒、復路5時間20分05秒で、差はわずか3秒です。一方、帝京大学は往路5時間30分25秒、復路5時間22分50秒で、復路のほうが7分35秒速く走っています。第101回大会の中央大学は往路5時間21分48秒、復路5時間31分01秒で、復路のほうが9分13秒遅くなりました。

復路は往路より2.1km長く、距離の点では復路のほうが記録を出しにくい条件です。その中で往路より7分以上速く復路を走った帝京大学の記録は、復路の強さをよく示しています。第101回大会の駒澤大学も、往路5時間23分17秒に対して復路5時間20分50秒と、復路のほうが2分27秒速く走りました。

第1回大会から続く逆転

往路を制した大学が総合で敗れる展開は、第1回大会から見られました。1920年の第1回大会では、明治大学が往路を制しましたが、復路で東京高等師範学校が逆転し、初代の総合優勝校となっています。日本テレビの歴代優勝校一覧によると、往路優勝は明治大学(7時間30分36秒)、復路優勝は東京高師(7時間26分13秒)でした。

なぜ差が生まれるのか(編集部分析)

参考資料

  1. コース紹介(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  2. 箱根駅伝とは(概要・歴史・豆知識)(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  3. 過去の記録 大会詳細:第100回大会 2024年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  4. 過去の記録 大会詳細:第101回大会 2025年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  5. 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  6. 歴代優勝校(日本テレビ 箱根駅伝番組公式サイト)

記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。

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