箱根駅伝は2日間の大会です。1月2日の往路と3日の復路では、走る区間の性格も、レースの意味合いも異なります。往路で先頭に立つことを重視する大学もあれば、復路で順位を上げる戦い方を得意とする大学もあります。この記事では、第100回(2024年)から第102回(2026年)までの3大会の公式記録をもとに、往路と復路の成績の違いから各校の戦い方を読み解きます。
往路と復路の違い
大会公式サイトによると、往路は大手町から芦ノ湖までの5区間107.5km、復路は芦ノ湖から大手町までの5区間109.6kmです。往路には各校のエースが集まる2区(23.1km)と山上りの5区(20.8km)があり、復路には山下りの6区(20.8km)と、23.1kmの9区、23.0kmの10区という長い区間が後半に続きます。距離は復路のほうが2.1km長くなっています。
復路のスタートは前日の往路の結果を引き継ぎます。往路の順位とタイム差を背負って走り始めるため、往路で先頭に立った大学は追われる立場、後れを取った大学は追う立場で復路を迎えることになります。
優勝校は往路・復路とも上位
3大会の総合優勝はいずれも青山学院大学で、往路は3大会とも1位でした。復路は第100回大会と第102回大会が1位、第101回大会が2位です。第101回大会では駒澤大学が5時間20分50秒の復路新記録で復路を制しましたが、総合では青山学院大学に2分48秒及びませんでした。往路で作った差が、復路での追い上げを上回った形です。
総合2位の大学を見ても、第100回大会の駒澤大学は往路2位・復路2位、第101回大会の駒澤大学は往路4位・復路1位、第102回大会の國學院大學は往路4位・復路2位でした。上位に入る大学は、どちらか一方だけでなく2日間とも上位で走っていることがわかります。
往路型の大学
往路で上位に入りながら、復路で順位を落とした例も目立ちます。第100回大会の城西大学は往路3位・復路12位、第101回大会の中央大学は往路2位・復路13位、早稲田大学は往路3位・復路10位、創価大学は往路5位・復路11位でした。第102回大会でも、早稲田大学が往路2位・復路8位、城西大学が往路5位・復路7位、日本大学が往路9位・復路16位となっています。
城西大学は第100回大会で往路の貯金を守って総合3位に入り、中央大学も第101回大会で総合5位を確保しました。往路で上位に入ることは、復路で順位を落としても上位にとどまるための土台になります。
復路型の大学
反対に、復路で大きく順位を上げる大学もあります。代表的なのが帝京大学です。第100回大会は往路12位から復路6位、第101回大会は往路14位から復路4位、第102回大会は往路17位から復路5位で、3大会とも総合10位以内に入りました。第101回大会では東京国際大学も往路11位から復路5位で総合8位に入っています。
第100回大会の法政大学(往路9位・復路4位)、第102回大会の駒澤大学(往路7位・復路3位)も、復路で順位を上げた例です。第100回大会では、シード圏外の明治大学が往路23位から復路8位、日本体育大学が往路21位から復路11位と大きく巻き返しています。
往路と復路の記録差
往路と復路の記録の差を見ると、各校の傾向がよりはっきりします。第102回大会の青山学院大学は往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒で、差は1分18秒でした。國學院大學は往路5時間20分02秒、復路5時間20分05秒で、差はわずか3秒です。一方、帝京大学は往路5時間30分25秒、復路5時間22分50秒で、復路のほうが7分35秒速く走っています。第101回大会の中央大学は往路5時間21分48秒、復路5時間31分01秒で、復路のほうが9分13秒遅くなりました。
復路は往路より2.1km長く、距離の点では復路のほうが記録を出しにくい条件です。その中で往路より7分以上速く復路を走った帝京大学の記録は、復路の強さをよく示しています。第101回大会の駒澤大学も、往路5時間23分17秒に対して復路5時間20分50秒と、復路のほうが2分27秒速く走りました。
第1回大会から続く逆転
往路を制した大学が総合で敗れる展開は、第1回大会から見られました。1920年の第1回大会では、明治大学が往路を制しましたが、復路で東京高等師範学校が逆転し、初代の総合優勝校となっています。日本テレビの歴代優勝校一覧によると、往路優勝は明治大学(7時間30分36秒)、復路優勝は東京高師(7時間26分13秒)でした。
なぜ差が生まれるのか(編集部分析)
参考資料
- コース紹介(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 箱根駅伝とは(概要・歴史・豆知識)(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第100回大会 2024年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第101回大会 2025年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 歴代優勝校(日本テレビ 箱根駅伝番組公式サイト)
記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。