1920年の第1回大会で東京高等師範学校が出した優勝記録は15時間05分16秒でした。2026年の第102回大会では、青山学院大学が10時間37分34秒の大会新記録で優勝しています。その差は4時間27分42秒です。ただし、この間にコースや区間の距離は何度も変わっており、数字をそのまま比べることはできません。この記事では、日本テレビの歴代優勝校一覧と報道をもとに、優勝記録の移り変わりを比べ方の注意点とともに整理します。
100年の推移
日本テレビの歴代優勝校一覧から、およそ10年ごとの優勝記録を拾ってみます。1920年は15時間05分16秒、1930年は早稲田大学の13時間23分29秒、1940年は日本大学の13時間12分27秒でした。戦後の1950年は中央大学が12時間35分36秒、1964年は同じく中央大学が11時間33分34秒で優勝しています。1970年代から80年代は11時間台が続き、1990年は大東文化大学の11時間14分39秒、2000年は駒澤大学の11時間03分17秒でした。
- 1920年(第1回)東京高等師範学校 15時間05分16秒
- 1930年(第11回)早稲田大学 13時間23分29秒
- 1950年(第26回)中央大学 12時間35分36秒
- 1964年(第40回)中央大学 11時間33分34秒
- 1990年(第66回)大東文化大学 11時間14分39秒
- 2000年(第76回)駒澤大学 11時間03分17秒
- 2026年(第102回)青山学院大学 10時間37分34秒
記録は一直線に縮まってきたわけではありません。1970年に日本体育大学が出した11時間31分21秒に対し、同じ日本体育大学が5連覇を締めくくった1973年は11時間47分32秒でした。2000年の駒澤大学の11時間03分17秒に対し、2010年の東洋大学は11時間10分13秒です。年によっては、優勝記録が前の時代より遅くなることもありました。
戦争による中断も記録に表れています。1938年に日本大学が出した優勝記録は12時間40分13秒でしたが、戦後最初の1947年の明治大学の記録は14時間42分48秒で、2時間以上遅くなりました。その後は再び短縮が進み、中央大学が6連覇を始めた1959年には12時間01分23秒、6連覇最後の1964年には11時間33分34秒となっています。1947年からの17年間で、優勝記録は3時間09分14秒縮まったことになります。順天堂大学が4連覇した1986年から1989年は11時間04分台から11時間19分台で推移し、優勝記録が初めて11時間を切ったのは、1994年の山梨学院大学でした(日本テレビの一覧による)。
コース変更という前提
記録を比べるうえで欠かせないのが、コースの変更です。読売新聞によると、5区の距離は2005年の第81回大会で20.9km、第82回から第90回大会までは23.4kmでした。函嶺洞門の通行禁止で5区と6区がバイパスを通るコースに変わった第91回大会からは23.2kmとなり、このため第90回大会以前の5区、6区、往路、復路、総合の記録は参考記録となりました。さらに2017年の第93回大会で4区と5区の距離が変わり、5区は20.8km、4区は20.9kmになっています。
5区が長かった時代の優勝記録を見ると、2010年の東洋大学が11時間10分13秒、2014年の東洋大学が10時間52分51秒でした。5区が20.8kmになった最初の大会である2017年は、青山学院大学が11時間04分10秒で優勝しています。区間の距離が短くなった後のほうが優勝記録が遅い年もあり、記録は天候やレース展開にも左右されることがわかります。
近年の大会新記録
現在のコースになってからは、大会記録の更新が続いています。日本テレビの一覧によると、2020年に青山学院大学が10時間45分23秒、2022年に同じく青山学院大学が10時間43分42秒で優勝しました。読売新聞によれば、2024年の第100回大会の10時間41分25秒は、2022年の記録を2分17秒更新する大会新記録でした。2025年はさらに6秒速い10時間41分19秒、2026年は3分45秒速い10時間37分34秒です。
往路と復路でも記録は動いています。往路は2024年に青山学院大学が5時間18分13秒の往路新記録を出し、2026年には同校が5時間18分08秒で走りました。復路は2025年に駒澤大学が5時間20分50秒の復路新記録を出し、2026年には青山学院大学が5時間19分26秒で走っています。2026年は往路と復路の両方で、それまでの記録を上回ったことになります。
区間記録の更新
区間記録でも更新が相次いでいます。読売新聞の区間記録歴代ベスト5(第102回大会まで)によると、10区間のうち、1区、2区、5区、8区、10区の5区間の記録が2026年、6区と7区の2区間の記録が2025年に生まれました。2年間で7区間の記録が塗り替えられたことになります。それ以前からの記録が残っているのは、2020年の3区、2023年の4区、2022年の9区の3区間です。
上位校全体の記録も上がっています。2026年に10位だった日本大学の10時間53分56秒は、2014年に東洋大学が出した優勝記録10時間52分51秒と1分05秒しか違いません。コースの条件は異なるものの、10年余り前の優勝記録に近い水準でシード権争いが行われるようになりました。
参考資料
- 歴代優勝校(日本テレビ 箱根駅伝番組公式サイト)
- 箱根路の5区に君臨するのは「山の神」「山の妖精」から「山の名探偵」へ…近年は記録ラッシュ(読売新聞オンライン)
- 第100回箱根駅伝 青山学院大、大会新Vで駒沢大の連続3冠阻む(読売新聞オンライン)
- 箱根駅伝 区間記録歴代ベスト5(読売新聞オンライン)
- 過去の記録 大会詳細:第100回大会 2024年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第101回大会 2025年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。