箱根駅伝 専門メディア第103回大会 2027年1月2日・3日

歴史

大会記録の変遷:15時間05分から10時間37分へ、102回の優勝記録をたどる

102回の間に優勝記録は4時間27分縮まった。ただしコースは何度も変わっている。記録の変遷を、比べ方の注意点とともに整理する。

目次
  1. 100年の推移
  2. コース変更という前提
  3. 近年の大会新記録
  4. 区間記録の更新

1920年の第1回大会で東京高等師範学校が出した優勝記録は15時間05分16秒でした。2026年の第102回大会では、青山学院大学が10時間37分34秒の大会新記録で優勝しています。その差は4時間27分42秒です。ただし、この間にコースや区間の距離は何度も変わっており、数字をそのまま比べることはできません。この記事では、日本テレビの歴代優勝校一覧と報道をもとに、優勝記録の移り変わりを比べ方の注意点とともに整理します。

山並みを背にした道路を走るランナーと、その後ろを進む紺色の車のイラスト
102回の大会で、優勝記録は4時間以上短縮された(イラスト:Voxlynest編集部)

100年の推移

日本テレビの歴代優勝校一覧から、およそ10年ごとの優勝記録を拾ってみます。1920年は15時間05分16秒、1930年は早稲田大学の13時間23分29秒、1940年は日本大学の13時間12分27秒でした。戦後の1950年は中央大学が12時間35分36秒、1964年は同じく中央大学が11時間33分34秒で優勝しています。1970年代から80年代は11時間台が続き、1990年は大東文化大学の11時間14分39秒、2000年は駒澤大学の11時間03分17秒でした。

  • 1920年(第1回)東京高等師範学校 15時間05分16秒
  • 1930年(第11回)早稲田大学 13時間23分29秒
  • 1950年(第26回)中央大学 12時間35分36秒
  • 1964年(第40回)中央大学 11時間33分34秒
  • 1990年(第66回)大東文化大学 11時間14分39秒
  • 2000年(第76回)駒澤大学 11時間03分17秒
  • 2026年(第102回)青山学院大学 10時間37分34秒

記録は一直線に縮まってきたわけではありません。1970年に日本体育大学が出した11時間31分21秒に対し、同じ日本体育大学が5連覇を締めくくった1973年は11時間47分32秒でした。2000年の駒澤大学の11時間03分17秒に対し、2010年の東洋大学は11時間10分13秒です。年によっては、優勝記録が前の時代より遅くなることもありました。

戦争による中断も記録に表れています。1938年に日本大学が出した優勝記録は12時間40分13秒でしたが、戦後最初の1947年の明治大学の記録は14時間42分48秒で、2時間以上遅くなりました。その後は再び短縮が進み、中央大学が6連覇を始めた1959年には12時間01分23秒、6連覇最後の1964年には11時間33分34秒となっています。1947年からの17年間で、優勝記録は3時間09分14秒縮まったことになります。順天堂大学が4連覇した1986年から1989年は11時間04分台から11時間19分台で推移し、優勝記録が初めて11時間を切ったのは、1994年の山梨学院大学でした(日本テレビの一覧による)。

コース変更という前提

記録を比べるうえで欠かせないのが、コースの変更です。読売新聞によると、5区の距離は2005年の第81回大会で20.9km、第82回から第90回大会までは23.4kmでした。函嶺洞門の通行禁止で5区と6区がバイパスを通るコースに変わった第91回大会からは23.2kmとなり、このため第90回大会以前の5区、6区、往路、復路、総合の記録は参考記録となりました。さらに2017年の第93回大会で4区と5区の距離が変わり、5区は20.8km、4区は20.9kmになっています。

5区が長かった時代の優勝記録を見ると、2010年の東洋大学が11時間10分13秒、2014年の東洋大学が10時間52分51秒でした。5区が20.8kmになった最初の大会である2017年は、青山学院大学が11時間04分10秒で優勝しています。区間の距離が短くなった後のほうが優勝記録が遅い年もあり、記録は天候やレース展開にも左右されることがわかります。

5区(往路)は上り →6区(復路)は同じ道を下る01016.220.8km最高地点 約874m小田原芦ノ湖※ 標高差約834m・最高地点は公式サイトより。途中の曲線は概略
5区(往路)は上り →6区(復路)は同じ道を下る01016.220.8km最高地点 約874m小田原芦ノ湖※標高差約834m(公式)。曲線は概略
現在の5区(20.8km)の高低差の概略。5区の距離の変更は、総合記録の比較に大きく影響する(大会公式サイトの数値をもとにVoxlynest編集部作成、曲線は概略)

近年の大会新記録

現在のコースになってからは、大会記録の更新が続いています。日本テレビの一覧によると、2020年に青山学院大学が10時間45分23秒、2022年に同じく青山学院大学が10時間43分42秒で優勝しました。読売新聞によれば、2024年の第100回大会の10時間41分25秒は、2022年の記録を2分17秒更新する大会新記録でした。2025年はさらに6秒速い10時間41分19秒、2026年は3分45秒速い10時間37分34秒です。

2024第100回10:41:25青山学院大2025第101回10:41:19青山学院大−6秒2026第102回10:37:34青山学院大−225秒
2024第100回10:41:25青山学院大2025第101回10:41:19青山学院大−6秒2026第102回10:37:34青山学院大−225秒
第100回〜第102回の総合優勝記録。3大会続けて大会新記録が生まれた(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

往路と復路でも記録は動いています。往路は2024年に青山学院大学が5時間18分13秒の往路新記録を出し、2026年には同校が5時間18分08秒で走りました。復路は2025年に駒澤大学が5時間20分50秒の復路新記録を出し、2026年には青山学院大学が5時間19分26秒で走っています。2026年は往路と復路の両方で、それまでの記録を上回ったことになります。

区間記録の更新

区間記録でも更新が相次いでいます。読売新聞の区間記録歴代ベスト5(第102回大会まで)によると、10区間のうち、1区、2区、5区、8区、10区の5区間の記録が2026年、6区と7区の2区間の記録が2025年に生まれました。2年間で7区間の記録が塗り替えられたことになります。それ以前からの記録が残っているのは、2020年の3区、2023年の4区、2022年の9区の3区間です。

1. 青山学院大優勝2. 國學院大+2分33秒3. 順天堂大+6分21秒4. 早稲田大+6分55秒5. 中央大+6分57秒6. 駒澤大+7分16秒7. 城西大+8分43秒8. 創価大+14分06秒9. 帝京大+15分41秒10. 日本大+16分22秒
1 青山学院大優勝2 國學院大+2分33秒3 順天堂大+6分21秒4 早稲田大+6分55秒5 中央大+6分57秒6 駒澤大+7分16秒7 城西大+8分43秒8 創価大+14分06秒9 帝京大+15分41秒10 日本大+16分22秒
第102回大会の総合上位10校。10位の日本大学までが10時間53分台以内に入った(公式記録をもとにVoxlynest編集部作成)

上位校全体の記録も上がっています。2026年に10位だった日本大学の10時間53分56秒は、2014年に東洋大学が出した優勝記録10時間52分51秒と1分05秒しか違いません。コースの条件は異なるものの、10年余り前の優勝記録に近い水準でシード権争いが行われるようになりました。

参考資料

  1. 歴代優勝校(日本テレビ 箱根駅伝番組公式サイト)
  2. 箱根路の5区に君臨するのは「山の神」「山の妖精」から「山の名探偵」へ…近年は記録ラッシュ(読売新聞オンライン)
  3. 第100回箱根駅伝 青山学院大、大会新Vで駒沢大の連続3冠阻む(読売新聞オンライン)
  4. 箱根駅伝 区間記録歴代ベスト5(読売新聞オンライン)
  5. 過去の記録 大会詳細:第100回大会 2024年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  6. 過去の記録 大会詳細:第101回大会 2025年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
  7. 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)

記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。

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