箱根駅伝に出場するには、二つの道があります。前回大会で10位以内に入ってシード権を得るか、10月の予選会で上位10校に入るかです。シード権の境目である10位と11位の差は、ときに数秒しかありません。この記事では、大会公式サイトのルールと近年の記録をもとに、シード権と予選会の仕組みを整理します。
21チームの決まり方
大会公式サイトによると、関東学生陸上競技連盟に加盟している大学であれば、どこでも出場資格があります。本大会に出場できるのは21チームで、前回大会で10位までに入った大学はすでに出場権を持っているため、残りの10校を予選会で争います。最後の1チームは、予選会を通過できなかった大学の選手で編成される関東学生連合です。
例外は記念大会です。読売新聞によると、2024年の第100回大会は出場校が23校に拡大され、シード校10校と予選会を通過した13校が出場しました。この大会の予選会は初めて全国の大学に門戸が開かれ、関東学生連合は編成されませんでした。
予選会の仕組み
公式サイトによると、予選会ではハーフマラソンのコースを各校の選手が一斉に走り、各校上位10人の合計タイムで本大会に出場する10校が決まります。選手は走り終えても通過したかどうかがわからず、結果発表の場で関東学生陸上競技連盟の幹事長が通過校を読み上げます。過去には数秒の差で本大会出場を逃した大学もあり、予選会にも多くのファンが詰めかけると公式サイトは紹介しています。
予選会には多くの大学が参加します。月陸Onlineの結果では、第102回予選会のチーム総合に41校の記録が並び、ほかに記録なしの1校がありました。私立の強豪校だけでなく、筑波大学や東京大学、千葉大学、一橋大学などの国公立大学も名を連ねています。第1回大会の優勝校である東京高等師範学校の流れをくむ筑波大学は、16位でした。28位の東京経済大学以降は11時間を超えており、1位と最下位の埼玉大学(12時間12分23秒)の差はちょうど1時間40分でした。参加校の幅の広さと、予選会が多くの大学にとって箱根への入り口になっていることを示す数字です。
第102回予選会の結果
2025年10月18日に東京・立川で行われた第102回予選会の結果を、月陸Onlineの記録から見てみます。1位は中央学院大学で10時間32分23秒。以下、順天堂大学、山梨学院大学、日本大学、東海大学、東京農業大学、神奈川大学、大東文化大学、日本体育大学と続き、10位の立教大学が10時間36分56秒で最後の通過校となりました。
- 1位 中央学院大学 10時間32分23秒
- 2位 順天堂大学 10時間32分35秒
- 4位 日本大学 10時間32分57秒
- 10位 立教大学 10時間36分56秒(ここまで通過)
- 11位 法政大学 10時間37分13秒
- 12位 明治大学 10時間38分54秒
1位から10位までの差は4分33秒、10位と11位の差は17秒でした。10人の合計タイムでの17秒は、1人あたりに直すと2秒に満たない差です。法政大学は前年の第101回大会で15位となってシード権を失っており、予選会でも本大会への道を断たれました。
シード権争いの僅差
本大会のシード権争いでも、僅差の決着が続いています。2025年の第101回大会では、8位東京国際大学が10時間54分55秒、9位東洋大学が10時間54分56秒、10位帝京大学が10時間54分58秒、11位順天堂大学が10時間55分05秒で、8位から11位までが10秒の中に入りました。217.1kmを走って、順天堂大学は10位と7秒差でシード権を逃しています。
前後の大会でも、シード権の境目は僅差でした。2024年の第100回大会では、10位の大東文化大学が11時間00分42秒、11位の東海大学が11時間01分52秒で、その差は1分10秒。東海大学と12位の国士舘大学は総合記録が同じでした。2026年の第102回大会では、10位の日本大学が10時間53分56秒で、9位の帝京大学とは41秒差。14位の東洋大学(10時間56分27秒)は10位と2分31秒差でした。
第103回大会のシード校
第102回大会の結果から、第103回大会のシード校は青山学院大学、國學院大學、順天堂大学、早稲田大学、中央大学、駒澤大学、城西大学、創価大学、帝京大学、日本大学の10校です。このうち順天堂大学と日本大学は、第102回大会に予選会から出場してシード権を得ました。残る10校の出場枠は、2026年10月の予選会で争われます。本稿執筆時点(2026年10月13日)で、第103回予選会はまだ行われていません。
予選会から上位へ
シード権を逃した大学が、翌年に大きく順位を上げる例もあります。順天堂大学は第102回予選会を2位で通過し、本大会では往路6位、復路4位で総合3位に入りました。予選会を4位で通過した日本大学も総合10位でシード権を獲得しています。一方、4years.によると、東洋大学は第102回大会で総合14位となり、前回まで20年続いた連続シード権が途切れました。
中央大学も、2024年の第100回大会では総合13位でシード権を逃しましたが、予選会を経て出場した第101回大会で総合5位に入り、第102回大会でも5位でした。シード権を失うことは、必ずしも低迷の始まりを意味しません。
上がり続ける10位の記録
大会公式サイトの記録によると、総合10位の記録は2024年が大東文化大学の11時間00分42秒、2025年が帝京大学の10時間54分58秒、2026年が日本大学の10時間53分56秒でした。シード権を得るための記録は、2年で6分46秒速くなったことになります。同じ3大会で、優勝校と10位の差は19分17秒、13分39秒、16分22秒でした。
参考資料
- 箱根駅伝とは(概要・歴史・豆知識)(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 第100回箱根駅伝 青山学院大、大会新Vで駒沢大の連続3冠阻む(読売新聞オンライン)
- 【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/チーム総合(2025年10月18日)(月陸Online(月刊陸上競技))
- 過去の記録 大会詳細:第101回大会 2025年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 過去の記録 大会詳細:第102回大会 2026年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
- 第102回箱根駅伝 青山学院大が2度目の3連覇 往路・復路とも制して完全優勝(4years.(朝日新聞社))
- 過去の記録 大会詳細:第100回大会 2024年(東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト)
記録は大会公式サイト「過去の記録」に基づきます。